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橘玲『言ってはいけない 残酷すぎる真実』の感想

 ブログ読者の方に送っていただいた橘玲『言ってはいけない 残酷すぎる真実』をやっと読み終えました。

 なかなか興味深い内容ではありましたけど、『日本人』あたりから、橘玲の興味がそれまでの経済問題から、「いくら理想を掲げたってどうしようもないことはどうしようもないから!」という証拠固めに移ってるのは、気のせいなんでしょうか(笑)

 この本が一貫して書いてるのは、人間の能力も才能も性格も、それらを形作るのは進化や遺伝子の占める部分が圧倒的に多く、努力や環境でどうなるものでもないという事実です。もちろん、いくつかのどうにかなる要素についてもしっかり書かれています。
 だけどこの「努力や環境でどうなるものでもない」ということ自体が、現代国家においては「言ってはいけない真実」になってしまっている、ということなんですね。

 現代国家、今の社会は、機会を均等にしさえすれば、あとは努力次第でなんとかなるはずだという「幻想」を前提として形作られています。資産格差を肯定するのも、その前提があるから。つまり、自己責任というわけです。だけど実際はそんな簡単じゃないという話が多々書かれているのが、この本なわけです。

 こうなると自分は「努力じゃどうしようもならない格差、差異が圧倒的なら、それを社会全体で後天的に均すのが、社会の責任なんじゃない?」と思うわけです。だけど橘さんという方は、いわゆる自由主義者的な言論ばかりが目立つ方という点でも、有名な方です。最新作なんか『「リベラル」がうさんくさいのには理由がある』ですからね。
 政府が規制をするとか、社会福祉を行うとか、そういうのを否定する発言ばかりが目立つと言いましょうか。

 彼の、積み上げられた証拠なり研究成果なりを参考にして「今の社会における道徳観念や倫理観」に徹底的に疑問を投げかける姿勢は、たしかに勉強になるんだけど、じゃあ彼が具体的にどういう社会を理想とするかと言われると、実は「?」なんですよね。そんなものを掲げてもどうしようもない、なるようにしかならないと思ってるようにも感じられます。
 でも個人的には、それでいいのかなぁ……と、どうしても思ってしまいます。出来るできないはともかく、理想を提起・定義するのは、必要だと思うんですよね。

 この本でもっとも衝撃的なところは、やはりレイプと、女性の性交時の「喘ぎ声」に関する箇所でしょうね。ぜひ立ち読みでもいいので読んでいただきたい。こんな解釈が可能なのか、こんな理由があるのかと、驚きばかりでした。
 とはいえこの内容、女性には腹立たしくて仕方ないでしょうね。この「読んだら腹立たしくなる」事自体が、この本が「言ってはいけない残酷すぎる真実」について書かれているものだということを意味してるのだろうと、思います。

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コメント

Re: No title

CHAGEAS-FAN さん

> ネタ切れなんでしょうか…。

どうなんでしょう?
自由主義的なこと、海外資産運用のことなんかが、橘さんの独壇場でなくなってきたというのはあるかもしれませんけどね。

> これまさにその通りですよ!
> 最近の橘玲さんは進化や遺伝子に基づいた不条理な話ばかりを出すも、そこから橘さんなりの具体的な解決案というのがあまり見えてこないんですよ。
> 橘さんは進化や遺伝子に基づいた不条理な話を出しといて、ベーシックインカムには反対しているのですから、「社会の問題解決に、あとは何があるんかい!」と逆に問いただしたくなります。
> 今回のhin-bpさんの読書の記事を読んでみてもそうでしたが、ここ最近の橘玲さんの言動は前に比べてどこか輝くものがなくて、残念に思います。

具体的な解決策や理想を「語らない」というのは、橘さんというか、自由主義的な人に共通の傾向なんだと、私は思っています。

Re: No title

ホボブラジル さん

> 言ってはいけない残酷すぎる最大の真実というのは、自分の遺伝子を残せなかった人は敗者、残せた人は勝者ということです。
> この本はそのことに触れていますか?

そのあたりについてそのものズバリは書いてないですけど、そういう方向に向けて本能が働いてるというような内容が多いわけで、遠回りではあるけれど、書かれているとは思いますよ。

> 種の保存本能は生物の掟であり、人間だけがその例外であるわけもないという一番残酷な真理が書かれていないと片手落ち(差別表現?)です。

ただ問題なのは、人間というのは極めて特殊な生物であるということだと思います。
遺伝子(ジーン)を残すのが生物の掟というのはそのとおりなんですが、文化的遺伝子(ミーム)を残すことに意味を見出すというか、むしろそれがジーンを残すことに勝るように「進化してきた」という話もあるそうで、そう考えると、本能というのもなかなか複雑で面白いものになってきます。

No title

『言ってはいけない 残酷すぎる真実』の感想を書いていただき、ありがとうございます。

>『言ってはいけない 残酷すぎる真実』
ここ最近の橘玲さんは、進化や遺伝子に基づいた不条理な話ばかりで、真新しいことは特に言っていませんね。
ネタ切れなんでしょうか…。

>彼の、積み上げられた証拠なり研究成果なりを参考にして「今の社会における道徳観念や倫理観」に徹底的に疑問を投げかける姿勢は、たしかに勉強になるんだけど、じゃあ彼が具体的にどういう社会を理想とするかと言われると、実は「?」なんですよね。
これまさにその通りですよ!
最近の橘玲さんは進化や遺伝子に基づいた不条理な話ばかりを出すも、そこから橘さんなりの具体的な解決案というのがあまり見えてこないんですよ。
橘さんは進化や遺伝子に基づいた不条理な話を出しといて、ベーシックインカムには反対しているのですから、「社会の問題解決に、あとは何があるんかい!」と逆に問いただしたくなります。
今回のhin-bpさんの読書の記事を読んでみてもそうでしたが、ここ最近の橘玲さんの言動は前に比べてどこか輝くものがなくて、残念に思います。

No title

言ってはいけない残酷すぎる最大の真実というのは、自分の遺伝子を残せなかった人は敗者、残せた人は勝者ということです。
この本はそのことに触れていますか?

18歳で子供を残して事故などで死んだ人と、莫大な資産を築いて悠々自適のうちに100歳で死んだ人とを比較すると、前者が勝ちであり、後者は敗者になります。

種の保存本能は生物の掟であり、人間だけがその例外であるわけもないという一番残酷な真理が書かれていないと片手落ち(差別表現?)です。

ま、私は新自由主義的思考の人は嫌いなので、買って読むことはないと思いますが。

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Author:hin-bp
アラフォーのバックパッカー。働くのが大嫌いという真性怠け者。嫌々働きながらなんとか1000万円貯めてアーリーリタイアをもくろんだものの、貯まる前に震災&原発が来てぷちっとネジが切れ、勢いで仕事辞める。今後はまったく五里霧中。

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