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サヨナラニッポン~若者たちが消えてゆく国~

 昨晩2時40分(日本時間)からフジテレビでやってた『サヨナラニッポン~若者たちが消えてゆく国~』を見た。この枠ってあの「ふくちゃん」を取り上げた番組枠なんだよね。こういう問題を積極的に取り上げてくれるので、フジテレビってなかなかに気骨のある民放だと思う。
 簡単に内容をまとめると、中国で日本の最低賃金以下の賃金で働く日本の若者を取り上げてる。彼らの多くが将来性を感じさせず、淡々と働いてる。日本に仕事が無い、居場所がない、そんな理由で働く彼ら。はたしてそれでいいのか? そんな彼らを生み出してしまう日本の問題、彼らと比べやる気に満ち溢れる中国の若者たち。
 ざっとこんな感じの番組だった。

 Twitterでの感想は、「サヨナラニッポン ~若者たちが消えてゆく国~」ツイートまとめを見てもらうのがいいかな。

 こういう番組って1回だけ放送、再放送なしということがとても多いので見逃した方は残念でしたになってしまうことが多い。おそらく近々Youtubeに上がるだろうと思うけど。

 さて。先のTwitterの感想などを見ても、この番組を暗く受け止めてる人が多い。だが、自分の受け止め方は違う。
 まず最初に出てくるのが大連に渡って3ヶ月の小俣さん25歳。仕事はシステムエンジニア。月給は日本円にして7万円未満。しかし住んでいるのは高級マンション。60平米で家賃は2万7000円。
 どうせ日本にいて同じ仕事をしたって高級マンションに住むことは出来ない。であれば、彼は日本を出て正解だったわけだ。

 次は大連のコールセンターで働く張替さん37歳。仕事はコールセンターのオペレーター。すでに3年働いてる。時給は550円、月収10万円、年収にして120万円。しかし大連の平均年収の3倍。彼、なんと同じ職場で働く中国人の彼女をゲットしてる。彼はもともと大学で博士号を取ったが就職先がないといういわゆるポスドク。ようやく見つけた仕事は倉庫内作業の派遣社員。先が見えず2年で辞めた。
 彼も大連に来て大正解でしょう。博士号とっても見つけられる仕事が倉庫内作業しかなかったわけだし。しかも彼女までできちゃったわけでしょ? 倉庫で働いてるだけじゃまず無理だよ。コールセンターというのは女性も多くて出会いの機会も多いからね。彼は明らかに大連に行く事で日本にいるより幸せになれてる。
 だが彼は、仕事自体はつまらない、新しい発見も成長もないという。同僚との飲み会にもカメラが入っていたが、皆そろってやりがいはない、でも日本にいるよりはマシだ程度の気持ちで働いている。日本にいたって仕事はないしね。

 この次に出てくるのが日本語ペラペラの中国人たち。「日本にいても仕事ない、やりたいことがない」と不満タラタラの日本人たちに比べ、上昇志向溢れる中国人たち。張替さんの彼女は言う。「中国にいる日本人は日本語ができるというスキルしか無い。それじゃこれからやっていけないよ」と。

 次は元警察官の飯田さん(仮名)38歳。警察官だったが仕事がハードすぎて体を壊し、警備会社→フリーターに。その後中国へ。今は手書きの日本語伝票をデータ入力する単純作業の仕事。時給340円、月収6万円以下。日本に帰れるだけのお金は貯まらない。「どうせ帰っても日本には親しい人はいないから」と言い、一人だけの正月を迎える。その後、よりよい仕事を求めて上海へ。
 彼が一番かわいそうオーラを漂わせていたかな。そもそも仮名だし。他の人は実名だったのにね。それだけ自分の生き方に自信がない、開き直れないということなんだと思う。
 そんな彼も、日本で働いてたときは給料日前にお金を使い切り困ることも多かったが、こちらでは余裕があるという。これだけ見ても彼が中国に来たことは正解だった。
 とはいえ現地で友達もいないというのはちょっと悲しい……。どうせ一人暮らしをするなら、せめて誰かとシェアして住むなど、交流を増やすことは出来ないのだろうか? それを避けてしまっているのだとしたら、その理由は何なのだろう?

 最後が明田さん37歳。大連で会社を経営している。彼は大学卒業後、広告制作会社を起業、しかしリーマン・ショックの影響で倒産。妻とも離婚。大連の新規事業立ち上げに呼ばれたが、わずか4ヶ月で事業自体無くなり、リストラにあう。
 だが彼はそこで日本に帰らず大連でHP制作会社を起業した。会社の売上はまだ赤字。3人のスタッフをかかえている。生活費を切り詰めるため、地元の人も行かないような美容院で髪を切る。料金は100円。
 残業を厭う従業員との齟齬に苦しみ、過労でぶっ倒れ病院に入院することも。だがその後、事業は軌道に乗り従業員数は8人にまで増加した。
 彼を見て思うのは、やはりそこそこの賃金で幸せにという「ローリスクローリターン」を狙うなら雇われるのが一番気楽であるということ。経営者はやりがいもあるかもしれないが、彼は場合によってはそのまま過労死しちゃった可能性もあるわけだしね。

 さて、ざっと番組全体をまとめてみたが、どうだっただろう? おそらく彼らは日本にいたら、大連にいる今よりももっと悲惨な生き方しかできていないという点が共通している。その一点だけでも、彼らが大連に行ったのは正解だったのだ。
 これを「暗い」とか「将来をまじめに考えていない」とか「先行き不安」と切り捨てる人は、よほど幸せな人なんだろう。海外にはもっとポジティブな日本人もたくさんいるのになぜそちらに焦点を当てないのかという意見もあるけど、そんなの「ガイアの夜明け」や「情熱大陸」でいくらでもやってるじゃん。普通の庶民がいかにして少しでもマシな幸せを勝ち取るか。そういう視点こそ本当の意味で底辺の人々に希望を与え、役立つ情報を与えるのだ。

 そもそも、コールセンターといういわゆる「マックジョブ」は、かつては大学生のバイト、主婦のパートだった。その規模はどんどん拡大していく。そのかたわら、従来の製造業や事務の仕事はどんどん海外に流れ、もしくはアウトソーシングされ、もしくはプロフェッショナル化していき、普通の人が普通のままで就くには難しい仕事になっていく。
 そんな彼らがより多くの人数を必要とするコールセンターに流れていくのは当たり前なのだ。スキルの向上が見込めないとか将来性がないとか、そんなこと言ってる場合じゃない。今の社会構造は一生マックジョブを続けるしか生きていく手段がない負け組と、才覚を発揮して大金を獲得する勝ち組に二分するようになってしまっている。皆が皆勝ち組になれるわけがないので負け組は負け組で、よりよい生活を出来る場所を求めて移動するしかなくなってるのが今の状況なわけだ。

 なぜ中国の若者はあんなにヤル気があるのに、日本の若者は大連でまったり働くだけなのか? という意見もある。これはちょっと考えればすぐわかる。
 大連の大卒初任給は3万円と番組内で言ってた。日本の平均は20万円前後。約6~7倍。さて、世界を見渡してみよう。一体どこに大卒初任給平均が140万円もする国が存在するだろうか? そんな国は無い。
 つまり、中国の若者には外国語をマスターし海外就職を果たせばそれだけでいきなり金持ちになれる夢の国がいくつも存在している。日本の若者には、無い。ヤル気が違うなんて当たり前なのだ。

 先の経営者と労働者の話と関係するけど、普通の労働者としては、今と同じ仕事をして待遇がいい場所があるなら、そちらに移る。スキルを磨いて生活レベルも賃金も上げるというのもあるけど、同じ事をやるだけで生活が向上するなら、誰だってそちらに行くだろう。
 大連のコールセンターで働く彼らにとってそこは、日本よりも上の生活が出来る夢の国なのだ。それは中国の若者が外国語スキルを生かして海外就職を目指すのとはまた違った、夢の追い方と言えるだろう。賃金自体を増やして豊かになるのか、賃金ではなく物価を安くして豊かになるのか。従来の生活改善の仕方(賃金を増やす)がインフレ型出世ならば、大連で働く彼らがやってる(賃金の費用対効果を上げる)のはデフレ型出世と言ってもいいかもしれない。

 もはや日本にいるだけでは、賃金上昇を前提とするインフレ型出世は期待できない。日本にもコールセンターはいくらだってあるが、高級マンションに住むなど不可能だ。であれば中国へ行ってデフレ型出世を目指すのもありだろう。そう、それが、どうせ世界のどこに行ってもマックジョブしかできない凡人が、それでも少しでも出世する手段なのだ。まさにサヨナラニッポンである。ニッポンはベンチャー企業を興すような才覚ある人にはまだまだ夢の国なのかもしれないが、雇われるしか能のない凡人にとってはもはや、生きるだけで辛い国になってしまっているのだ。

 というわけで、自分はこの番組をとても明るい気分で眺められた。日本ではくすぶるだけのアラフォーでも中国に行けば高級マンションに住んで彼女も出来る。これだけでもどれだけ気持ちを明るくさせるだろうか。

 とても良くできた番組だった。気骨あるドキュメンタリーに拍手。

 ……つーか、海外でもちゃんと働こうとするだけ偉いよねぇ。俺、ほんとどうなっちゃうんだろう……まったく働く気起きないや……。

追記:とはいえ、彼らを見てちょっと批判したくなる点も。それは日本の生活を現地でも再現しようとしてること。日本の倍する日本語書籍を購入し、足繁く日本風居酒屋に通い、日本人の経営する美容院に通う。それは駐在員にしか許されない特権なんだよね。それを現地採用が真似し続けると遅かれ早かれ無理が出る。そういう意味では高級マンションに住むのも、実は問題がある。そうやって駐在員と同じ事(日本語だけで生活する)をし続けて現地語を身につけられないとか、当たり前なんだよなぁ。仕事上で日本語しか使わないとしても、生活で現地語を使うようにしてれば少しは身につくでしょう。それすらしようとしないのは好奇心の欠如だろうか?
 バックパッカー&外こもりの自分から見ると少しもったいないかなと思う。いい悪いではなく、もったいない、と。

更に追記:早速動画が公開! ネットはほんとにすごいね!

http://www.dailymotion.com/video/xt07z2_yyyyyyyy-yyyyyyyyyyy-2012-08-23_shortfilms



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コメント

Re: No title

> いやいや、そう思えている方は、たぶん大丈夫ですよ。
> (いずれ、書籍出版とか、コラム書いたりとかしてそうな気も…)

ははは、そうなれたら嬉しいですが、たとえば『ニートの歩き方』のphaさんはブログに貼ってあるamazonリンクのほしい物リストをいろいろ送ってもらえるぐらい、ファンが多い。だからこそ本も出せたわけで、いまだにほとんどもらえたことのない俺の場合、難しいかなと思います。
今のままですと。

> いざとなったら、日本に帰国して生活保護で立て直す手もあるし。
> (日本帰国の旅費・一時的な生活費さえ死守しておけば)

この点は、実家の存在が大きいですね。いざとなれば実家に転がり込めばとりあえず死なないで済む。
ただし、たまにドキュメンタリーになる「高齢引きこもりが年金もらってる親のもとで暮らす。親が死に、子も50代、ろくに職歴なしでそのまま生活保護に転がり込み」みたいなケースもあるので、油断なりませんが。

> でも、彼らが生活保護となると、高層マンションから一気に6畳ひと間に…
> それに現在生活できてしまう、今だけとってみれば日本より良い人生、
> だからこそ、余計深みにはまり、茹で蛙になる危うさが。。。

これはバックパッカーも同じですね。今だけとってみれば日本よりよい人生。だからこそ俺もアラフォーになるまで足を洗えていないわけですから。

> それともテレビでは意図的に放送しないのか。。。

テレビってそういうもんですからね……。

No title

>危うさで言えば、自分のほうがはるかに危ういです(笑)
いやいや、そう思えている方は、たぶん大丈夫ですよ。
(いずれ、書籍出版とか、コラム書いたりとかしてそうな気も…)

いざとなったら、日本に帰国して生活保護で立て直す手もあるし。
(日本帰国の旅費・一時的な生活費さえ死守しておけば)


でも、彼らが生活保護となると、高層マンションから一気に6畳ひと間に…
それに現在生活できてしまう、今だけとってみれば日本より良い人生、
だからこそ、余計深みにはまり、茹で蛙になる危うさが。。。

テレビというフィルターを通しているので、彼らの本当の普段の生活
(特に食生活)は分かりませんが、でも住まいだけ見ても…


ひとりぐらい、現地に骨をうずめる覚悟をし、現地の社会になじみ、
ネットワークを構築し、中国語もバリバリ勉強中という気概のある方が…
と思うのですが、そういう方はいないのか、
それともテレビでは意図的に放送しないのか。。。


まあでも、ろくに仕事もしていない、なまけものの私が言うのも、
まっことおかしな話なんですが…長文すみません。。。 m(_ _)m

Re: 時間という価値

> 職もないまま日本で生活保護受給するような生活するのと、
> 国外で低賃金でもそれなりの暮らしが出来る場所で働くのと、
> どっちがマシかって言ったらやっぱり後者だよねぇ

そういうことになるんですよね。

> 国外の企業の何が魅力かって、残業で自分の人生を食いつぶさなくても良い所
> 確かに今回の彼らは”外こもり”的ではあるけれど、自由な時間は日本企業で働くよりも多いでしょう
> その時間をキャリアアップのための勉強に使うことが出来る彼らは、見た目以上にずっと良い環境を手に入れてると思う

同感です。

Re: No title

> 他人事ではありますが、正直物凄く怖い・危うい印象を受けました。

危うさで言えば、自分のほうがはるかに危ういです(笑)
以前から旅とバイトを繰り返す人はそれなりにいましたが、ちゃんと働いてるだけ、彼らのほうがまだマシかも知れません。
コールセンターは経験が積めないという意見もあるけど、スーパーバイザーに上がる可能性も無くはない。
マネジメント出来るようになれば高給が望めますし。

> もし日本に戻り職に就いたとしても、
> 当然こんな生活は望めず、かえって辛くなるのでは?

これは駐在員も同じなんですよ。
というか、彼らのほうがより深刻かも。日本並の給与をもらって豪遊し放題だったのが日本に帰ると、あまりのギャップに悩む人は多いそうです。
とくに駐妻。ハウスキーパー雇って悠々自適だったのに、日本帰ると狭いマンションで全部自分でやることになりますから。

> 追記:経済成長・低資本という意味で、ベンチャーをやるのはいいですね。
>   できれば経済基盤を確保し、お金から解放されたうえで、
>   面白そうと思える仕事が出来る様になると、人生すごく楽しそう。 

多くの人が夢見ますが、なかなかうまくいかないんですよねぇ、それ。

時間という価値

職もないまま日本で生活保護受給するような生活するのと、
国外で低賃金でもそれなりの暮らしが出来る場所で働くのと、
どっちがマシかって言ったらやっぱり後者だよねぇ

国外の企業の何が魅力かって、残業で自分の人生を食いつぶさなくても良い所
確かに今回の彼らは”外こもり”的ではあるけれど、自由な時間は日本企業で働くよりも多いでしょう
その時間をキャリアアップのための勉強に使うことが出来る彼らは、見た目以上にずっと良い環境を手に入れてると思う

No title

こちらのブログでこの番組を知って、ネットで見てみました。

他人事ではありますが、正直物凄く怖い・危うい印象を受けました。


低収入・低支出の国で暮らすことを、
頭から否定するつもりはありませんが、

骨をうずめる覚悟もなく、高級マンションに住んでしまっている。。。
砂上の楼閣というか…浦島太郎というか。。。
もし日本に戻り職に就いたとしても、
当然こんな生活は望めず、かえって辛くなるのでは?

覚悟の決まらないうちは、六畳ひと間みたいな生活をしておいたらと。


でも、似たような境遇の人と、本音で話せると思われる飲み会、
それは大変羨ましく思えました!(女の子も多いし)


追記:経済成長・低資本という意味で、ベンチャーをやるのはいいですね。
  できれば経済基盤を確保し、お金から解放されたうえで、
  面白そうと思える仕事が出来る様になると、人生すごく楽しそう。 

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Author:hin-bp
アラフォーのバックパッカー。働くのが大嫌いという真性怠け者。嫌々働きながらなんとか1000万円貯めてアーリーリタイアをもくろんだものの、貯まる前に震災&原発が来てぷちっとネジが切れ、勢いで仕事辞める。今後はまったく五里霧中。

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