先日の
サヨナラニッポンの記事で追記として、海外にいて日本的生活を再現することにこだわるのはいかがなものかと書いた。
よく考えれば自分もバンコクで
ばんからラーメン食べたりしてるんだよね(笑)。あの記事だけ見ると「外こもりのくせに贅沢な生活してやがんな」と思われなくもない。
だけど、実際はマックスバリューで安いの買ったり、普段は一回30バーツ程度のカオマンガイとかで暮らしてるのが日常だったりする。
TVというのはネタになる側面だけを取り上げたりする。自分も毎日安飯ばかり食べてる日常なんか面白くもなんともないので、ばんからラーメンを取り上げたりする。そういうことなのかな、とふと思った。おそらくサヨナラニッポンの登場人物たちも、普段は切り詰めてたまに美味しいもの食ってたりすると思うんだよね。
そう、
海外で滞在すると言っても、旅行中と、長期で住んだり働くのとでは大きく違う。それはおそらく、日本的生活をどこまで持ち込むか、という点の違いになって現れてくる。 たとえば数日の海外旅行で、僕のように一日中ネットをやるなんてただのバカ。最近では情報収集の便利さからスマホを持ち歩く旅行者は一般的になってるが、せっかく・わずか数日しか海外に来れてないのに、日本の日常を持ち込むのはもったいないとしか言い様がない。日本食なんか食うな、全部現地食を食べろ、と言ってしまってもいい。日本から持っていった文庫本を開かなかった、それぐらいのほうがいいとすら思う。
これが数カ月の長期旅行になってくると、どうしたってたまには日本食が恋しくなるというものだ。日本の本にも飢えてくる。
さらに半年、年単位となれば、そりゃあ逆にあえて日本的なものを増やしたくなる気持ちも出てくる。以前、日本で働いていた時にタイの知人を尋ねたことがある。何を食べたいかと聞かれ「もちろんタイ飯」と答えたら、彼は顔を暗くしこう言った。「日本食じゃダメかな……」
これはどういうことかというと、普段の日常では節約のためにタイ飯を食べ続けている。久しぶりの知人(俺のことね)と会うというのは、一種のイベント、晴れの行事になる。そういうおめでたい時に食べたいのは「日本食」になるんだよね。
なるほどと瞬時に察した自分は、日本食屋さんに行く事にした。
サヨナラニッポンでは日本人同士の飲み会の場所として、日本風居酒屋が選ばれていた。中国人の同僚と行くときは中華が選ばれていた。そりゃそうだよね、普段から中華ばかり食べてるのだから、日本人同士で行く時ぐらい日本食が食べたくなるってもんだよ。
日本人グループなのに現地食の店に行くというのは、やはり、どこまでいっても「旅」の延長線で考えてしまっているのだろう。滞在が長くなればなるほど、日本的なものに惹かれるようになる。
普段から完全に日本化してしまえるぐらい高給取りの駐在員ならまだしも、現地採用の彼らが日本的なものに惹かれる度合いは、さらに強くなってしまうものなのかもしれない。 番組が切り取ったのは彼らの日常ではなく、そういう思い、ハレの場だったのだろうか。
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