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必ず何かを得ないといけないというつまらん風潮が持ち込まれつつある

 日本に帰国したら本屋さんに行くのが楽しみです。今はamazonでチェックできるけど、やっぱり本屋の平棚で見ないと、思いがけない本との出会いは無いですからね。
 そこで、気になる本に出会いました。

自分の仕事をつくる旅
成瀬 勇輝
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 3,318

 内容紹介を引用します。冒頭の文句は本の帯にも書いてありました。

ありふれた観光旅行、
意味のない自分探し、
あてのない放浪はもう終わり。
どうせなら、「キャリアにつながる旅」をしよう。

これまで旅は、余暇を楽しむためのもの、観光するためのものが大半でした。
交通手段やインターネットの発達によって、より容易に海外旅行に行けるようになり、比較的時間に余裕のある大学時代に旅行をする人も、
会社を辞めて世界一周旅行に出る若者も少なくありません。
しかし、「世界遺産が素晴らしくて感動した」「日常会話程度の英語がしゃべれるようになった」程度の感想しか語れないとなると、
これらの旅は、ある意味、履歴書やキャリアにぽっかりと穴があくような期間であったとも言えます。

いま、旅に新しい潮流が起こりつつあります。「キャリアにつながる旅」「履歴書に書ける旅」が多くの注目を集めているのです。
どんな旅が、次のキャリアにつながる旅なのでしょうか?
それは、「テーマのある旅」です。旅の目的を観光とか交流とか、漠然としたものではなく、
自分が興味のあること、やりたいこと、他人が見ておもしろいと思うものにテーマを設定し、その成果によってキャリアの壁を一点突破する旅です。

本書では、ありふれた旅を脱却し、あなたの経験を特別なものにする「新しい旅のあり方」を提案します。
キャリアにつながる旅のつくり方、テーマを持って旅をする旅人を紹介し、また、21世紀の旅をより楽しむためのデジタル機器や、SNSをフル活用する方法にも多くのページを割いています。
さぁ、新しい時代にあなただけの新しい旅を始めましょう。

 これを見て、日本の余裕の無さもここまで極まったのかと思ってしまいましたね。ありふれた観光旅行の何が悪い。意味のない自分探しだっていいじゃないか。あてのない放浪は長期間じゃないと出来ないからこそ意味があるんだよ。なんでもかんでもキャリアにつながるものにしないといけないという昨今の風潮こそ、余裕の無い証拠だよ。

 とくにあてのない放浪は長期間じゃないと出来ないからこそ意味があるんだよということは、強調しておきたいですね。

 こういうふうにやることに意味がなければいけないというような発想は、結果が出なかった時に与えるショックも大きなものになります。別に何かを得ようと無理せずに得られれば、それは思いの外嬉しくありがたいものになるでしょう。

 この問題はずっと以前からさんざん言われてました。パックツアーで海外に行く日本人は、朝起きてから寝るまで大忙し。朝はダイビング、午後はバナナボート、夕方は買い物。これをビーチでただ横たわり読書したり寝てる欧米人が、かわいそうだなという目で見る。彼らはリゾート地にまで来て、故郷(くに)での日々と同じように分刻みのスケジュールをこなすことに精一杯になってる。一体何をしにきたんだろうか?
 ところが日本人を本当に自由で、何をしてもよいという状況に放り込むと、それはそれでダメだったりします。何かすることがないと落ち着かない、とね。本当に心の底までワーカホリックが身についてしまってる。オンとオフの切り替えができなくなってしまってるのです。

>これらの旅は、ある意味、履歴書やキャリアにぽっかりと穴があくような期間であったとも言えます。

 キャリアに穴があくことへの極端な恐怖。これこそが日本社会の大問題でしょう。もちろんこれまでだって、目標を据えて旅をしてる人というのはいました。ただ、以前はもっとまったりとしていたように思います。旅の日々はあくまで、旅の日々。
 そこになんだかよくわからないプラスアルファを求める人が増えてきたのは、インターネットでリアルタイム旅行記を更新する人が増えてきた頃からのように思います。はじめの頃はただ、リアルタイムで更新するだけで注目された。だけど今じゃありきたりなので、そこにテーマをつけ出した。各地でゲテモノを食べる、楽器を習う、有名人に会う、サッカーの試合を追っかける……。
 こういう流れを決定づけたのは、おそらく、この人でしょう。

日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。
太田英基
いろは出版
売り上げランキング: 1,184

 コピー用紙の裏面に広告を載せることでタダでコピーできる「タダコピ」というサービスを在学時に起業し広めることに成功した著者は、その会社を他人に譲り世界一周の旅に出ます。だけど彼は、それをただの世界一周にするつもりはなかった。世界各地で、現地で働いている日本人を取材し、それをネットに上げていくというのを一つの目的にしたのです。そうして始まったのがサムライバックパッカープロジェクト。

 彼自身は、実際に起業しそれを成功させ、さらに出版にまで結びつけるだけの行動力と能力を兼ね備えた人物です。最初に上げた『自分の仕事をつくる旅』にも、当然のように出てきます。
 ところが……彼以降、彼のスタイルを真似て、各地で働いてる日本人に会おうとする「イシキ高い系」の日本人バックパッカーが増えたそうです。だいぶ前のことなのではっきり覚えてないのですが、海外で働いてる人がTwitterでぼやいてました。
「会いたいと連絡が来る。会って、話す。だけど彼らの大半は、会って満足する。私だって会いたいと言われれば嬉しいしできるだけ会ってあげたいけど、会ったところでなにをしたいのかわからない人と会うのは時間の無駄に感じる」
 おそらく著者の真似をするフォロワーたちは、それを空いたキャリアの穴埋めとして用いるんでしょう。だけどそれも、いずれは陳腐になる。どの企業でも「またか」という話になってしまう。
 こうして、海外での新たな、誰もやってない体験を追い求める人、そのフォロワーは際限なく増えていくことになります。

 いいじゃん、何もなくったって。海外に、ましてや長期旅行にまで出て、必ず何かを体験しなければいけない、得なければいけないなんて強迫観念に駆られるなんて、つまらないです。
 実際にそういう人に会ったことあるんですよ。日本を出てからは一生懸命スケジュールをこなし、いろんな人に会ったり体験をした。だがある時、緊張の糸がぷつんと切れてしまった。海外にまで来て何をやってるんだろう、現地の人は皆、まったりと今という時を過ごしている。それなのに私は、日本にいた時と同じ事をただひたすら続けてただけだった。バカらしくなり、何もかも止めてしまった。
 この彼はその後、移動スケジュールを極端に落とし、沈没をメインとする旅行スタイルに変わりました(笑)。

 結果としてなにかを得るなら、それでいい。でも、何も得れなくったって、いいじゃないですか。というか、日本で未だに王道とされる社会人人生を飛び出て、海外に来れば、それだけで誰だって何かしらの体験はできます。どんなものにでも目標やテーマを設けそれに向けてがんばりなさい。そんな旧態然とした発想など、日本国内に押し込んでおけばいい。毎日まったりと何も考えない、ゆるやかな日々。そんな中からポンと飛び出てくる、アクシデントやイベント、発想の数々。そういうものとの出会いをこそ、海外では体験してほしい。
 なにかやりたい人は、やればいいと思いますよ。だけど、キャリアの穴埋めなんていうつまらない発想でやるもんじゃない。そういうものを脅迫的に求めてくる日本社会から距離を置く、その事自体に大きな意味があるぐらいの気持ちのほうが、旅を楽しめます。
 外こもりというよりは、旅歴の長い一人のバックパッカーとして、そう思うのです。

 あのアルキメデスが浮力に関する原理を発見したのは、お風呂にゆっくりと浸かってリラックスしている時でした。王様の指示も何もかも忘れてくつろいだその瞬間、「エウレカ(発見)!」が生まれたんです。
 ほとんどの人にとって海外長期旅行は、一生に一度の大イベントでしょう。せわしない日本の時間を離れ、まったりとした海外の時間に体を浸す時間です。アルキメデスのお風呂のようなものです。そこにまで王様の依頼(日本のあれやこれや)を持ち込んでどうするんですか。そんなことでは「エウレカ!」は生まれないですよ。

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コメント

Re: No title

> この本私も立ち読みしました。表紙の文章読んだだけで"閉塞感"を感じましたね。旅本に閉塞感来たのかって。
> 日本の閉塞感って日本人の大部分の人が感じ、回避したいのに自ら作り上げているんだね。

そう思います。以前はもっとゆるゆるだった気もしないではないんですが。
なんというか、どんどんと追い込んで行ってるような気さえします。

Re: No title

> 現状認識がかなり違ってるんだな。

そうなんでしょうね。
私はこの点、非常に楽観的。というか、ポジティブなんだと思います。
なんとかなるだろう、と。

Re: タイトルなし

> 相変わらず、盛りだくさんな
> 面白い記事ですな。

ありがとうございます。

> これは、欧米人の旅が正しくて、
> 日本人は旅を知らなくて
> 正しくないという事なんですか?

なんというか、日本人の旅は余裕が無いなと思います。
もちろんそれも、短期なら仕方ないことなのかもしれません。だけど記事に書いたように、長期でもそのスタイルの日本人は多い。それってもったいないと思うんです。
それに、短期だって欧米人のようなのんびりスタイルの旅行をしたって構わない。そういうのはもっと広まっていいと思うんです。

> そもそも、多くの欧米人の旅は
> バカンスであり、日本人は旅行であって
> 旅の種類が違うのではと思いますけどね。例えば、タイでの多くの欧米人の旅は
> 、ただのビーチホッパーであるとも
> 言えると思います。

バカンスというのはやはり、時間に余裕がある人間のスタイルですよ。日本が先進国になってだいぶ経つのにいまだに発展途上スタイルを引きずってるのは、ちょっと情けない感じがします。

> あと沈没は理解できるのですが、
> 外こもりって旅なんですか?(笑)

今回の記事は完全にバックパッカー視線ですね。

No title

この本私も立ち読みしました。表紙の文章読んだだけで"閉塞感"を感じましたね。旅本に閉塞感来たのかって。
日本の閉塞感って日本人の大部分の人が感じ、回避したいのに自ら作り上げているんだね。

旅の目標ってもっと身体的で、直感優先してる人に俺は惹かれるし、会って朝まで話したい。
この本の人はいいや俺は。というか、ものすごく良い奴で空回りしてる人だと思う。ま、俺が一番空回りしてるんだけどね。

No title

>>おそらくこの発想は「現実はこうだからそうするしかないよね」という考えに基づいてるんです。

現状認識がかなり違ってるんだな。

キャリア的には、
そこまで必死にならなくても十分やっていける、
と言うか、そこまで自分を追い詰めてたら、
しんどくなって壊れちゃうかも?
と私は思ってるんですよね。


>>おそらくはmushokuさんの生活保護への発想と似てると思いますよ。

逆に、生活保護などの社会保障的には、
もう日本は限界に近づいているので、
理想と言うか夢みたいなものを期待していると、
足をすくわれる、どころか、大変困難な将来になっちゃうよと。

相変わらず、盛りだくさんな
面白い記事ですな。


>この問題はずっと以前からさんざん言 >われてました。パックツアーで海外に>行 く日本人は、朝起きてから寝るま>で大忙 し。朝はダイビング、午後は>バナナボー ト、夕方は買い物。これ>をビーチでただ 横たわり読書したり>寝てる欧米人が、か わいそうだなと>いう目で見る。彼らはリ ゾート地に>まで来て、故郷(くに)での 日々と>同じように分刻みのスケジュール を>こなすことに精一杯になってる。一体 >何をしにきたんだろうか?

これは、欧米人の旅が正しくて、
日本人は旅を知らなくて
正しくないという事なんですか?

そもそも、多くの欧米人の旅は
バカンスであり、日本人は旅行であって
旅の種類が違うのではと思いますけどね。例えば、タイでの多くの欧米人の旅は
、ただのビーチホッパーであるとも
言えると思います。

旅に正しいとか、正しくないとかが
あるとは思えないですけど。

あと沈没は理解できるのですが、
外こもりって旅なんですか?(笑)

Re: No title

> 本当にごもっともとしかいいようのないお話ですが、日本に帰っても確実に社会復帰ができない体になってしまうでしょうね。
> だからこそ、企業の面接で空白期間に対する突っ込みがはげしくなるんでしょうけど。困ったものですね。

そもそも日本の現実というのが「小学校から大学、会社に入って定年を迎えるまでずーっと、どこかに所属している人間でいること」を理想としてるんですよ。ブランクが有る、誰の支配下にもない自由でぶらぶらした期間があることへの恐れのようなものがある。管理社会から外れることを許容しないとでも言いましょうか。

社会復帰が出来ない体になるかどうかよりも、そういうことを恐れてるような気がするんです。どちらかというと。

たしかに1年とかブランクが開くと、やる気とか能力的にも、ダメになっちゃいますけどね(笑)。バレーのダンサーが1日でも練習を休むと能力が落ちるというのと、似たようなものなのかもしれませんが。
むむ、やっぱだめじゃん(^^;;;

Re: No title

> これは面倒くさい発想だなあ・・・・・・。
> まあ、そういう人が例外的にいたって構わないけど、
> こんな人ばっかりになったら、
> 確かに気味が悪いですね。

さきほどしんさんへのレスでも書きましたけど、おそらくこの発想は「現実はこうだからそうするしかないよね」という考えに基づいてるんです。
で、それは、おそらくはmushokuさんの生活保護への発想と似てると思いますよ。財政状況から言ってももらえないでしょう、対策は自分でするしか無いよね、というような。

だから、mushokuさんがこの話に否定的な感想を持たれたのが、ちょっとばかり驚きでした。

Re: No title

> それがしたいという人はもちろんそれでいいんですが、
> そもそも人間、自分がやりたいと思ったことをやって、
> (人に大きな迷惑をかけない範囲で)
> それで幸せを感じられればそれでいい、
> というか、それこそが生きてる意味だと思ってます。

うん、私もそう思います。

> 極端にとらえると、人間やめて企業の歯車になれ、
> と言いたいの?とか思ってしまいます。。。。。((+_+))

おそらくは、日本の現実に合わせるとどうしてもそうなるよね、ということなんだろうなと思います。どんなに理想を言ったってキャリアがないとだめじゃんという。
生活保護や労働法の議論でもそうなんですけど、私たちのような理想論を掲げる主張もあれば、そうは言っても現実はこうだから我慢なり対策するしか無いよねという主張もある。どちらがいいとか悪い、正しい間違ってるというのとも違いますし。
でも、どちらかの声しか出ないのではなく、どちらの声も出てくること。それが大事なことなんだと思います。

というわけで、このブログは相変わらず、こうあったほうがいいっすよねという理想論押しで行きたいなとおもいます。

No title

本当にごもっともとしかいいようのないお話ですが、日本に帰っても確実に社会復帰ができない体になってしまうでしょうね。
だからこそ、企業の面接で空白期間に対する突っ込みがはげしくなるんでしょうけど。困ったものですね。

No title

>>「キャリアにつながる旅」

これは面倒くさい発想だなあ・・・・・・。
まあ、そういう人が例外的にいたって構わないけど、
こんな人ばっかりになったら、
確かに気味が悪いですね。
(; ̄ー ̄A アセアセ・・・

No title

どうせならキャリアに繋がる旅ねえ。。。

それがしたいという人はもちろんそれでいいんですが、
そもそも人間、自分がやりたいと思ったことをやって、
(人に大きな迷惑をかけない範囲で)
それで幸せを感じられればそれでいい、
というか、それこそが生きてる意味だと思ってます。

極端にとらえると、人間やめて企業の歯車になれ、
と言いたいの?とか思ってしまいます。。。。。((+_+))

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アラフォーのバックパッカー。働くのが大嫌いという真性怠け者。嫌々働きながらなんとか1000万円貯めてアーリーリタイアをもくろんだものの、貯まる前に震災&原発が来てぷちっとネジが切れ、勢いで仕事辞める。今後はまったく五里霧中。

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